
双極性障害(躁うつ病)の障害年金は、症状の波をどう伝えるかがすべてといっていい傷病です。
診断書は、書いてもらった時点の状態が中心になります。その日がたまたま落ち着いていれば、軽い診断書ができあがります。
「実際はこんなものではないのに」という結果になりやすいのが、この傷病の難しさです。
“この記事でわかること”
- 双極性障害の認定基準と「病相期」という考え方
- 躁状態の困りごとを書き落としてしまう問題
- うつ病から診断が変わったときの初診日
- 診断書を依頼するタイミング
目次
1.双極性障害の認定基準
双極性障害は、うつ病と同じ気分(感情)障害として審査されます。
| 等級 | 認定基準のいうところ |
| 1級 | 高度の気分・意欲・行動の障害と思考障害の病相期があり、それが続くか何度も繰り返すため、常に人の援助が必要な状態 |
| 2級 | 同じ障害の病相期があり、それが続くか繰り返すため、日常生活が著しく制限される状態 |
| 3級 | 病状は著しくないが、病相期が続くか繰り返し、働くことに制限がある状態 |
病相期とは、躁やうつの症状が出ている期間のことです。
注目していただきたいのは、どの等級にも「持続したり、繰り返したりする」という言い方が入っていることです。
つまり審査では、いま症状が出ているかどうかではなく、波が続いているかどうかを見ています。
2.認定基準にも「今の状態だけでは足りない」と書かれています
気分障害について、認定基準にはこう書かれています。
症状が目立つ時期と消える時期を繰り返すものなので、診断書を書いた日の状態だけで判断するのは不十分である。症状の経過と、それによる日常生活の状態を十分に考慮する必要がある。
審査する側はそう考えていても、経過が書類に書かれていなければ読みようがありません。
そこを埋めるのが病歴・就労状況等申立書です。双極性障害では、この書類の重みがとくに大きくなります。
“申立書に必ず入れたいこと”
- 躁とうつがそれぞれ年に何回、何か月くらい続くか
- 直近1〜2年の入院の有無と回数
- 薬の変更や増量があった時期
- 波のせいで仕事や学校が続かなかった経緯
3.躁状態の困りごとを書き落とさないでください
これが双極性障害でいちばん多い失敗です。
うつのときの「動けない」は書きやすい。ところが躁のときのことは、「調子が良かった時期」として書かれてしまうことがあります。
躁状態は「調子がいい」のではなく、症状です。ここが正しく伝わらないと、等級は下がります。
躁のときに起きたことを、事実として書いてください
- 高額な買い物や借金をしてしまった
- ほとんど眠らずに動き回っていた
- 家族や職場の人と激しく言い争いになった
- 勝手に退職した、契約をしてしまった
- その後に反動で長く寝込んだ
書きづらい内容ではありますが、生活が成り立っていないことを示す大事な事実です。
4.診断書を依頼するタイミング
診断書には、書いてもらった日から3か月以内という期限があります。
落ち着いている時期に依頼すれば、落ち着いた診断書になります。かといって、いつ波が来るかを狙って待つのも現実的ではありません。
“無理に待つ必要はありません”
- 医師にここ1年の波を伝えたうえで書いてもらう
- 診断書の「現在の病状」欄だけでなく経過欄にも書いてもらう
- 伝えきれない分は申立書で補う
診断書のどこが見られているかは精神の診断書はここを見られるにまとめています。
5.初診日は「最初のうつ」のときです
双極性障害の多くは、うつ症状から始まります。躁が出てはじめて双極性障害と診断が変わる、という経過が一般的です。
このとき初診日になるのは、最初にうつで受診した日です。双極性障害と診断された日ではありません。
- 「うつ病」で通院していた期間も同じ傷病として扱われます
- 不眠や体調不良で内科にかかっていた場合、そこが初診日になることもあります
- 初診日が10年、20年前になることも珍しくありません
初診日が古いほど、当時の証明が課題になります。障害年金の初診日とは?もあわせてご覧ください。
6.働いている場合
双極性障害では、躁のときだけ働けているという方がいらっしゃいます。
就労歴に短い就職と退職が並んでいる場合、それは続かなかったという事実そのものが症状を示しています。「転職が多い」で終わらせず、辞めた理由を一つずつ書いてください。
くわしくは精神の障害年金|働いていても受給できる?をご覧ください。
7.まとめ
“この記事のポイント”
- 審査はいまの状態ではなく波の経過を見ている
- 躁状態は「調子がいい」ではなく症状。書き落とさない
- 浪費・不眠・トラブルは事実として書く
- 初診日は最初にうつで受診した日
- 短い就職と退職の繰り返しも症状の表れ
ご自身で申立書を書かれると、どうしてもうつの時期の話に偏ります。躁のことは書きづらいからです。
書き方に迷われたら、書き始める前にご相談ください。ご相談は無料です。
申請手続きでお困りの際は、浜松ソレイユ障害年金サポートセンターにていつでも承っておりますので、お気軽にご相談ください。
